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非常事態宣言延長

Swim Partner  第21号 (発行:2021.9.7)によると全国のクラブでコロナ陽性者が多く発生しているようだ。「調査で分かったクラブの感染者情報を並べると…。」と全国の情報が載っているがいずれもプール施設内での感染というより、会員が家族からの濃厚接触者であったり、スタッフが施設外で友人との外食等での感染が見られるようだ。「8月からどのクラブでもこうした事態になっていたのではないだろうか。スタッフの感染が多い! スタッフの仕事時間以外の過ごし方に注意すれば、少しは減るのかも…。そんな中、KL春日井スイミングスクール(愛知県)は「緊急事態宣言期間中は2週間に一度、出勤時に全員抗原検査を実施し、「陰性」を確認してから勤務しております」と告知していた。見習う必要がありそうだ。」「コロナ感染の第5波で緊急事態宣言が出ているのは21都道府県。その期限は9月12日までだが、一部の延長(30日まで延長)が論議されている。21都道府県で休業をしているクラブがあるのかを調べたところ、9施設を確認!」

改めて皆で感染症予防を徹底していきましょう。

 

オリンピック

大橋悠依さん200m・400m個人メドレー金メダル2冠おめでとう!オリンピック水泳で前畑秀子さんという選手がいた事を若い人は知らないかもしれないけど今月の【Swim Partner 】 第20号2021.7.26 に載っていたので読んでみてください。(中略)
前畑秀子さんに関する物語り。ご本人が金メダルを獲るまで、どんなトレーニングをやったのかを自ら書き、雑誌に載せたものです。昭和42年の「水泳競技マガジン3月号」で2ページにわたって書かれています。読む時間にすれば僅か5~6分もあればよいでしょう。若いスタッフに「前畑秀子」を理解させるために、これほど簡潔にまとめたストーリーは他に思い浮かびませんので、敢えて再録という方法でその原稿を紹介します。読み終わると「凄い人!」と思わず唸ってしまうはず。それにしても凄い人! ご覧ください。(鶴谷道広氏)
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私はこうやった 肝心な精神力と練習法 兵頭秀子
 私は小さい頃から、水に入って遊ぶのが大好きだった。美しい川が家のすぐ下を流れていたからかもしれない。「秀子がいなくなったよ」そう言いながら母が私をさがし廻るところは、たいてい川辺であり、川でママごと遊びをしていたとよくいわれた。
 夏ともなれば、どこの子供さんでもやっぱり水に入ることが好きだと思うが、私は特に好きで、水の中に入っていると、ごはんを食べるのも忘れるくらいであった。これには母も大変困ったようだった。「いやだいやだ、ご飯いらない。ここがいいの」これが私の口癖だったという。
 好きこそものの上手なれというが、その諺どおり、水の好きな私は、いつの間にか泳げるようになり、小学校の3年生の夏にはクラスの誰にも負けないくらいであった。
 でも当時は、練習をするプールというものがなく、川の流れのゆるやかな場所で、川に杭を打ち、その上に足を乗せられるだけの板1枚を乗せて飛込み台にするのが、せめてものことだった。ターンは、杭に打ちつけられた3枚の板、コースのロープは農家からいただいた縄を引っ張るだけのものである。それでも泳ぐことの好きな私は毎日毎日、まっ黒になって川に通った。
「お前の顔はどちらについているの」とよく人から言われたものである。本当にまっ黒な上に、髪は陽に焼けて茶色がかり、パーマをかけたようにチリチリ毛。それも下に伸びればいいものを、上の方にクルクルと逆立ってしまう。どうみても土人の女の子としか見えない。そんな調子であった。
初めてプールという水たまりで水泳大会をやったのは小学校4年のときだった。大阪に浜寺海水浴場があったが、そこのプールであった。学童の100mと50mに出場して、2種目とも学童の最高記録で優勝した。小さな胸の中で明るい火が燃えあがる心地で、喜びで胸がつまったことの実感が今でも残っている。銀製のメダルを2個、ほうびに頂いたが、その1つは水泳を教えて下すった先生に差しあげたことが忘れられない。その後、5年生と6年生の夏、私はどこの試合に出かけても負けを知らない強い選手になっていた。時にはエキジビションとして男の生徒と競技をさせられたが、それも負けることがなかった。
結局、いつの間にか50m、100m、200mの3種目の日本記録保持者ということになっていた。父母はもちろんのこと、兄弟も町の人々も、そして学校の先生方も、みんなが喜んでくれた。「えらいぞ、えらいぞ、しっかりやるんだぞ」、そう言って励ましてくれた。
特に橋本小学校の校長、西中先生のお言葉は忘れられない。私を校長室に呼び、「実るほど首(あたま)の下がる稲穂かな」と一句で例えられ、「お前は現在の水泳界の人々、いや世の中の皆さんから注目されている。『水泳の天才少女現る』『水の神童』だとか言われているが、お前がここで自分は偉くなったと鼻高々になってはだめだ。偉くなれば偉くなるほど自分の立場と責任を考え、人様から崇拝されるような選手にならなければいけない。田んぼのお米をよく見てごらんなさい。穂に花を咲かせ、そして日一日と皆さん方の食膳に出てもいい頃には、穂の頭が下にたれるでしょう」と説かれ、奢ることなく勉強と水泳に一生懸命に励むよう諭されたのです。
私にとってもう一つ、終生の言葉となっているのは今は亡き母の言葉です。「やりかけたことは途中で決して止めてはなりません。最期までやり抜くんですよ」です。私はこの二つの言葉を玉条として、一層の練習に励んだ。そして苦しい練習には自ら進んで取り組むようにした。
人が5000泳げば、私は5500m泳いだ。そうしなければその日の練習に満足できなかったし、気分よくプールを上がることができなかった。負けず嫌いというのであろうか。私は暇さえあればプールに入って泳いだものだった。
だが苦しみの中にも、一つのレースに出場して自分の泳いだ記録が日本新と発表されたりすると、そして翌日の新聞紙上に自分の姿と共に、日本記録が大きく掲載されたりすると、今までの苦しみは一度に消えて、ただ喜びだけが全身を包み、感激して涙したことも幾度かあった。「お母さん、もっとやりますよ」と心の中でそう誓った。
忘れもしない18歳(昭和7年)の年に、第10回ロサンゼルスのオリンピックが開かれた。私は女子200mの平泳ぎに出場した。その決勝、オーストラリアのデニス嬢と接戦し、私は10分の1秒差で大魚を逸した。そして2位となったが、私の記録としては素晴らしいものであり、自己の日本記録を5秒も上廻るものであった。それだけに、2位としての銀メダルは金のように見えた。
私にとって意気揚々の帰国は凱旋さながらの胸ふくるる思いであった。しかし私を待っていたのは「どうして10分の1なんかで負けたのか」「もう少しで勝てたじゃないか」といった攻め言葉ばかりであり、それは予想外のことだった。私は返事に窮したほどだった。
でもそう言われるほどに、私の感情に別なものがわいてきた。「よし、次のベルリン大会でやってみせる」。母の言葉どおり、私は最後までやり抜く決意を新たにした。4年間を頑張り抜けばできることだと思ったのである。
それからというもの、冬は冬のトレーニング、夏はプールでの猛練習と、自分で自分を励ますことにむちうち、1日として休んだことがなかった。
当時の冬のトレーニングは、なわ跳び、バスケットボール、グラウンドでのかけ足などであったが、私はより以上に強い足、強い足首を作るために、毎日毎日暗くなるまで山の中を駆けずり廻った。今でいうサーキットであった。学校の裏門から1人で走り出て、山へ山へ、そして山へ、枯れ草をふみながら細い道を走りに走った。時には枯れ草で未知の凸凹がわからずに、つまづいては転んだ。時には打撲傷で足を傷め、捻挫も一度ならずであった。汗はびっしょりで、腰に下げたタオルも絞れば音の立つほどであった。こうして私の足は日一日と強くなり、八事の山、天白の山と名古屋の山で知らぬ処のないほど走り廻った。それはただ、ベルリン大会に勝つことへの努力で、鍛えに鍛えぬいたのだった。
待ちに待った昭和11年、ベルリン大会の年。その年の3月、私はプールに入る練習を開始した。水温は10度を保つのにやっとであった。この冷たい水に入ることが無理であることは百も承知だったが、私はもうじっとしていられなかった。手を入れただけでもビリビリ痛い感じであった。それでも私は水着になって入ってみた。痛い。針で刺されるように痛い。私はとにかく早くシーズンオフから泳ぎだしたかったのであった。そして人よりも早く練習がしたかったのでもあった。水泳クラブ員がお風呂をたいてプールに入るのが4月20日である。部員の人たちは寒い寒いと言いながら25mを泳いではお風呂に入るのだが、私はそんなことはなかった。冷たい水もなんのその、自分の泳ぎたいだけ思う存分泳いだ。そして5月、6月に入った頃の練習法となると朝5時に起床して1時間半程泳ぐのが1日の内で1番身の入った練習だった。
現在、インターバル練習が基本のように言われているが、私はそのインターバル練習を30年前にやっていたわけである。オリンピックに出場する種目は言うまでもなく200m平泳である。私は誰から言われたのでもなく、教えられたのでもなく、私自身の練習法として250mのインターバルをやっていた。
この練習は、飛込むと100mは水に慣れるために「ゆっくりと流す(泳ぐ)、そしてターンの5m手前から250mを全力で泳ぐ。次に休憩をしないで100mを泳ぎ、また250mをがんばるという練習法だった。なかなか苦しいが、この練習のおかげで、私の一番弱い100mから150mにいくこの50mを素晴らしく強くした。200mのレースのうちで一番苦しいこの50mを頑張り、ここで自己の記録を破ることを考えていた。
ベルリン大会で勝てたのも、この苦しいインターバルトレーニングと、山の中を走り廻ったおかげだと思う。
東京オリンピックでアベベのすばらしい活躍を目の当たりにしたが、彼の練習法もインターバルを活かした独特なものがある。アベベのそうした優れた練習法と、それをやりきるだけの精神力、それが最大の勝因と思う。(昭和42年発表原稿)

∼ONE FOR ALL ALL FOR ONE∼

『ONE FOR ALL ALL FOR ONE』これって何?

痛みと動かしにくさのある部分だけをストレッチだ!筋力アップだ!って言ってもなかなか楽にならない。だって体は全部繋がっているから…・・というお話です。

オンラインサロンは毎月第3金曜日開催予定!

次回は7月16日金曜日午後7:30分から9:00まで参加無料・どなたでも参加可能。

参加方法は協会に参加希望のメールをしていただけるとzoomの送ります。

 

オンラインサロン開催

6月18日のテーマは「浮き指」

このオンラインサロンは毎月第3金曜日午後7:30分より9:00まで毎回プチ研修を交えてどなたでも参加できます。水中運動に興味のあるから指導者、参加者問いません。また異業種の方々の参加も大歓迎です。

リモート養成講習会

リモート養成講習会、理論8時間・実技8時間と対面での養成講習会より長い時間になり、参加者の皆さんにはお仕事をしながらの時間調整等大変だったと思います。更新研修として参加された指導士さんからも、リモートならではの陸上での動きの見せ方等も参考になった事と思います。

3月の養成講習会や・研修会の募集中!

 

今年もよろしくお願いします。

明けましておめでとうございます。
以下、体力健康新社 鶴谷道広氏より了解をいただき転記させていただきます(Swim Partner 第10号 発行2021.1.5)改めて水中運動の普及に努めます。今年もよろしくお願いします。
スイミングの大きな忘れ物
 明けましておめでとうございます。経営者も指導者も昨年はコロナで苦しみました。せめて今年は大きな黒字が出なくても、会員数がコロナ前に戻り、先の経営に不安を持たない環境に戻ることを期待したいと思います。
年明けの一発目。ツルタニがSC協ニュースの情報集めで全国のSCのHPをチェックしていることはご存知と思いますが、最近、気になっていたことを年末から調べていました。そうすると、「なぜこれが消えているの?」と驚くことがありました。「水の4大特性」についてです。
「水の4大特性」は誰もが知っていること。指導者なら誰もが講習会で教えられるプールの基本の基。水温・水圧・抵抗・浮力のことです。今回はこのことにこだわってお伝えします。
日本で「水の4大特性」を最初に発表したのは元筑波大学の野村武男氏です。1986年、論文で次のように発表しています。
◇水温 水泳中の水温は常に人体温より低く(20~30℃)裸で運動することが寒冷刺激となったり、また屋外等で水泳を行えば、日光の直射によって皮膚および体温調整機能が鍛錬され、急激な温度の変化に対処できる機能が向上するといわれています。したがって水泳を続けると風邪をひきにくくなるというのも納得がいくと思われます。冬のスイミングスクールで風邪を引く子供がいるのはインフルエンザを除いて水泳後頭髪がぬれていたり、防寒が十分でない場合が多いと思われます。
◇水圧、抵抗 水圧に対して呼吸しなければならないので、呼吸筋の鍛錬になり、肺活量等の肺機能が向上します。また水の抵抗は空気中においても、速度が増大するほどエネルギー消費も指数関数的に大きくなり、陸上運動に比べて運動量も筋収縮のスピードがそんなに速くないのに非常に大きなものとなり、水泳後全身がぐったりした疲労感(きもちのよい)を感ずるのも、この水圧、水の抵抗の特性といえましょう。
◇浮力 水中では浮力によって体が一種の無重力状態のようになり、陸上運動のように脚・関節等に直接体重がかかりません。そのため筋肉運動としては無理がなく、肥満、病後や障害等のリハビリテーションとして非常に効力を示します。最近では腰痛水泳コースといわれる腰痛を持っている人だけの水泳コースを設けて指導するスイミングスクールも数多く見られるのも水中では重力の影響がなく、痛みを伴わないので安静にしているよりよいと医師から勧められ多くの人が水泳を始める経緯からくるものでしょう。
 これが野村先生が最初に発表した論文です。その1986年11月、野村先生は助教授に昇進しています。
 この論文発表後、スイミング業界は「水の4大特性」の解説付きでチラシを作っていたのです。詳しい内容は正確に覚えていませんが、例えば「スイミングに通えば風邪を引きにくくなる」「股関節の可動域が狭まった人が定期的にプールで歩けば改善する」「陸上の運動よりわずかな時間で運動効果が得られる」など、ベテラン指導者なら覚えているはずです。
 ところが「水の4大特性」について、HPでは最近、余り目に触れなくなりました。さすがにたくさんのクラブを調べられないので茨城県のSC協に登録されている15クラブを調べたところ「ゼロ」。「そもそもスイミングは水の4大特性の効果があり、それで運動を始める人が多かったのでは?」と知人に投げかけると、その知人は「水の4大特性」をインターネットで検索し、報告してくれました。「僅かですがHPに載っていますよ」と。それを受けて調べなおすと、確かにあった。グンゼスポーツ、コ・ス・パ、ミミスイミングクラブ、JSS姫路、JSSさやま、秋田AC、A-1スポーツクラブ吉原、エス・パティオスポーツクラブ、スウィン大宮SS、北坂戸SS,イトマンSS富士見台。だが、何れも過去の掲載で、ほとんどがブロクでした。現在のHPトップには掲載されていなかったのです。
 あれだけ「プールには水の4大特性」があり、運動初心者が入るきっかけがあったのに、それを謳わない。そもそも日常に運動を組み込んでいない人たちに「水泳を教えます」と言ったところで、「水着になるのがイヤ!」「激しい運動は出来そうもない」から入会者が少なかったはずです。「水中ウォーキング」をプログラムに入れた時を思い出そう。ドッと入会者が増えたはず。そして大半の指導者が「水の4大特性」を解説し、納得してもらったはずです。
 ところが今のHPは「今なら安く入会できる」「プレゼントがある」で入会者を掘り起こそうとしています。違う! スイミングは陸上運動にはない「水の4大特性」という大きな味方、武器がある。それを知ってもらうことで敷居を低くするべきなのではないだろうか。入り口は「水中ウォーキング」。体力がついて、泳いでいる人達を見て「私も泳げるようになりたい」と思うようになる。「泳法指導」は「水中運動」「水中ウォーキング」の次に来るプログラムだろうと思われます。
 知識はあるのに使わない。せめてHPに「水の4大特性」を載せて、スイミングの啓蒙をしなければ運動未経験者、特にコロナ禍で運動不足を感じて不安な人を取り込むことは出来ないだろうと思われます。
 思いつくままに提言、いやこれは説教になっているかもしれないが、「スイミングの原点を思い出せ!」と書き込んでいるが、いかがだろうか?
 全国的に高齢者は「3密」を危険視し、FC、SCへ足を運んでいない。地域に感染者が発生しているクラブでは、もろにその影響を受けている。そうした環境の中で入会者を掘り起こすのは大変。大変だが掘り起こさなければ経営が大変になる。だから中高齢者の新規入会者を獲得するには“入口”として「水中ウォーキング」に絞ってPRする。
 ここまで書いて、「水中ウォーキングの勧め」の原稿を思い出した。いつか載せようと書いていたモノ。文章は重複する部分があるが、参考までに掲載します。
■今日は水中ウォーキングの勉強!
 水中ウォーキングがプログラムとして登場したのは1985年だ。この年の5月、東京・西新宿にエアロスポーツ・クラブがオープンしている。9月にアクアプログラムとして「ウォーターエアロビクス」を始めたが、同クラブでは水中ウォーキングも行っていた。
スイミングクラブでこのプログラムが定着したころの笑い話によく登場したのが公共プールだ。公共プールで歩くと、監視員が笛を吹いて「歩かないで泳げ!」と注意したという話がある。今は公共プールではどこも歩くことを許容しているが、そもそもプールには1995年頃まで泳ぐという役割しかなかった。頭の固い公共プールも、民間施設で流行している水中ウォーキングをやがて認めざるを得なかったのだ。
 当初、水中ウォーキングは運動初心者にもてはやされた。泳ぎは習いたくないが、水の4大要素(浮力・抵抗・水圧・水温)を解説することで「誰でもできる水中運動」と理解され、たくさんの利用者を集めた。だが、今は「水中ウォーキング教室」に力を入れているスイミングクラブはほとんどない。歩かせるだけでは教える側も単調なレッスンで指導者としてのモチベーションが維持できず、参加者も飽きが来るのだろう。
 だが、待てよ! 運動初心者に運動を身に付かせるには「水泳」より「水中ウォーキング」だろう。誰でも挑戦できる水中ウォーキングに取り込めれば会員増につながるはず。これを見逃してはいけない。今回は「水中ウォーキングの意重要性」を説く。若い指導者に回覧してほしい。
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加齢によって体に現れる現象は様々ある。大きく分けると筋力の低下と関節の可動域が狭くなることが挙げられる。女性は高齢になると骨粗鬆症が起こり、軟骨組織の老化、特に硬化現象が始まる。硬化現象が始まると、姿勢が徐々に崩れて来る。これが加齢現象の症状だ。
若い頃は関節の可動域が広いから大股で歩くことができる。しかし、中高年になると歩幅が小さくなり、日常生活に何かと不自由を感じることになる。その最たるものが階段の上り下りだ。
人間が生きて行くうえで自由に歩き回れないというこがどれだけ辛いかはご存知の通りだ。僅かな凹凸に躓いて転ぶ、2階の昇り降りが辛い…。特に多いのが女性の骨粗鬆症や転倒による骨折だ。骨折をすると寝たきり生活に陥りやすい。こうした整形外科的疾患が、寝たきり生活の人の4分の1を占めるという。こうした骨折や関節の可動域が狭くなった人の療法は、浮力や抵抗がある水中が最適だ。何故なら安全性が確保されているからだ。つまり水中ウォーキングだ。
それではどんなペースで水中ウォーキングをすればよいのか? 週1回では作られた筋肉が元に戻ってしまい、現状維持を保つだけだ。週2回では作られた体力・筋肉が元に戻る前に上積みされる。これを繰り返すことで機能回復は確実に進む。つまり、水中ウォーキングを始める人には「週2回以上」を勧めるべきなのだ。
 歳を取れば運動をしなくなる。歳を取れば運動が出来なくなる。「動かなければ動けなくなる」のフレーズは、その実態をよく表しています。眠りかけた体力を目覚めさせ、快適な老後を過ごすにはまず動き回れる体力づくり。その体力は体に無理のないスイミングでの日ごろの運動。つまり、それをやれるのはあなたのクラブの役割なんです。それが地域貢献でしょう。
ちょっと支離滅裂な部分もありますが、ツルタニの想いは分かって頂けたでしょうか。
 今年も月2回ペースでSwim Partnerを発信します。ご愛読ください。お知り合いへの転送は自由ですが、できるだけ個人登録をお願いしてください。見えない読者への情報発信は避けたい。よろしくお願いします。
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■特別寄稿
コネクテッドフィットネス   早稲田大学大学院スポーツ科学学術院 中村好男
今アメリカでペロトンというフィットネスバイクが流行っている。
 「バイクフィットネス」というプログラムが提供されて、参加者はバイクの前面にある画面を見ながらインストラクターの“指導”を受ける。もちろん、リアルなジム(スタジオ)で参加することもできるのだが、たいていは離れた場所で参加する。
 このバイクは、インターネットにつながっていて、前面の画面にインストラクターの姿が映るだけでなく、バイクの負荷や回転数の推奨値も表示されて、参加者はインストラクターの指示に従って負荷を変えながらペダルをこぐだけでワークアウトできる。その際、インストラクターは、カメラ目線(参加者一人一人を見つめているような視線)で励ましてくれるらしく、画面を見ながらこいでいる参加者にとっては、
「先生の目線がずっとこちらで、amazing! Beautiful! Great!とか言ってくれるので、気分良くて1 on 1で受けてる感じ。もう先生を個人的に知っているような気にさえなる。超オススメ。」(@happyneconyc、2019年7月31日)とのこと。
 SNS機能も付加されていて、一緒に参加している方のデータを見て競ったりエールを送ることもできるし、終了後には、自分のデータを保管して、毎回の成果を確認することもできる。
 プログラムは、ライブ配信されているものもあるが、ストリーミング(オンデマンド)も用意されていて、インストラクター、時間、音楽のジャンル、クラスタイプ(ビギナー、クライムなど)を自由に選ぶこともできる。“Tabata Ride”というHIITのプログラムもあるようだ。
 ペロトンは、そのバイクが設置されているジムに行けば使える。アパートの共用ジムに設置されているケースもあるし、ペロトンバイクを部屋内に設置しているホテルもあるという。また、バイクを購入すれば自分の部屋で好きなだけペロトンプログラムを楽しむことができる。バイクの値段は20~30万円ほど(最安は$1,895)で、$39/月の会費を払うとバイクだけでなくヨガやストレッチ、メディテーションのクラスも受講できる。また、トレッドミル(最安値$2,495)のプログラムもある。もちろん、インターネットの通信料は別に必要。
残念ながら、日本ではまだ使えないようであるが、そのうち日本に上陸するかもしれない。
日本では、東急スポーツオアシスが2019年1月からリリースしたWEBGYM LIVEの中で同様のバイクプログラムを提供している。こちらはスマホを利用する“ホームフィットネス”で、当初は「5Gでフィットネス業界からスタジオが消える」などと注目された。コロナ下の2月からアプリのダウンロード数が急増したようで、2020年3月末時点で50万件に達したとのこと。
この他にも、フィットネス系のオンライン(ライブ/ストリーミング)配信であれば、SOELU、BeatFit、Lean Bodyなど枚挙にいとまがない。もちろん、エアロビクスなどのワークアウトが普及し始めた1970年代から、ビデオやDVDなどの媒体で映像プログラムが供給されていたし、それがネット配信されるようになったのも映画や音楽などと併行していたのだから、技術の進化に伴って配信形態が発展するのは自然の流れであろう。
ところで、“ヘルスケア・フィットネスアプリ”は、スマホ(4G)が普及した10年ほど前から普及が始まった。日本ではFiNCを筆頭として様々なアプリがリリースされているし、最近ではスマホ購入時に最初からインストールされているアプリもある。このようなアプリは、上述のあらゆるオンラインプログラムと同様に、すべて供給元のサーバーとつながっていて、ビッグデータとして活用されるべくスタンバイしている。このようなビッグデータはどのように活用されていくのであろうか。
もうひとつ、今年10月に発売されたNintendo Switch用フィットネスゲーム『FiNC HOME FiT』(フィンクホームフィット)も、これまでフィットネスクラブやジムに通わなかったターゲットに拡張するという意味で注目に値する。もちろん、ゲーム機との連携という意味ではWii FitやRing Fit Adventureの流れも重要なのだが、私が注目するのはFiNCのAIテクノロジー。今は、画面上のキャラクターが格闘技系のデモンストレーションを行うだけのようであるが、おそらくはAIによって設計された仮想キャラクターが画面上の《指導》を行うように発展するのではないだろうか。つまり、《人間》の指導者が不要になる世界である。(JWIコネクト2020年12月22日配信から転載)
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情報■
◆クラウドファンディング=かつて紹介した小樽サンフィッシュスポーツクラブ(北海道)のクラウドファンディングへの協力要請の呼びかけは11月15日に終了。支援金は総額163万7千円が集まった。「古くていつもどこか修理しているような施設なのに、こんなにたくさんの方々に愛され支えられて運営してきたのだと改めて知り、感謝の気持ちでいっぱいです」とコメントをしていた。
◆プール自由遊泳無料=サンシャインスポーツクラブ(北海道)は札幌市提携プール。3歳から中学生は月~金14時~21時、土日祝日11時~21時まで自由遊泳が無料だ。但し、高校生は500円、大人は700円(65歳以上は500円)で曜日・時間制限無し。
◆開催中止=予定をしていたイベントがコロナ禍で中止されれば売上に大打撃。辛い選択を迫られている。磯原スイミングスクール(茨城県)は12月25日から予定していた4日間の「冬休み短期水泳教室」を中止。スウィン大宮スイミングスクールの3校(埼玉県)も中止を決めた。JSS八王子スイミングスクール(東京都)は12月末に予定していた恒例の「スキーキャンプ」を中止。田柄スイミングクラブ(東京都)は11月度の「進級テスト・記録会」を中止。サンスポーツクラブ網干(兵庫県)は2月に予定していた「スキー・スノーボード教室」を中止。
◆利用状況=ドゥ・スポーツプラザ豊洲(東京都)のサイトには「本日の利用状況」が掲載。「在館人数」「ジム人数」を表示して、「混雑・やや混雑・空いています」が判別できるようになっている。
◆泳力検定をベトナムで=ベトナムでの水泳普及を目指しているサギヌマスイミングクラブ(神奈川県)は11月、水泳の楽しさを知ってもらうために水泳につながるスポーツとしてトライアスロンのセミナー「トライアスロンの魅力と練習方法」をホーチミン市で運営する富士スイミングクラブで開いた。また、11月28日には「泳力検定会」を開いたところ、25名の参加者があった。
◆なわとび教室=じわじわと導入が広がる「なわとび教室」。岡崎竜城スイミングクラブ(愛知県)は1月17日(日)に初めて「なわとび教室」を開く。未就学児と小学1~2年生クラスは前跳び・後ろ跳びの練習が中心、小学3~6年生クラスは二重跳びが練習の中心で、各15名を募集した。参加費2千円(税込)で、場所は本校駐車場。講師は体操教室を担当しているインストラクター。
◆水中ウォーキング=水口スポーツセンターのウェル・ビ(滋賀県)では12月に「水中ウォーキング教室」のモニターを5名募集した。12月の同教室に4回~8回参加して頂き、レッスン終了後、3回のアンケートに協力してもらうだけ。参加費無料。因みにウェル・ビでは月曜日から金曜日の朝9時台と21時台、火曜12時台、水曜20時台、土曜9時台と21時台の計14コマも「水中ウォーキング教室」がある。
◆学童保育開講=(株)コパンは4月に「コパンキッズアフタースクール」を2店舗で開講する。スポーツボックス豊川(愛知県)とコパン長尾(大阪府)だ。長尾店は預かり5日間+習い事3回で月3万5000円、預かり3日間+習い事3回で月3万円の料金となっている。
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■首都圏の緊急事態宣言を前にして
 首都圏の新型コロナウイルス感染者拡大が止まらない。メディアが幾ら“危機”を訴えても、新聞は読まない、TVのニュース番組は観ない人たちには何も訴求効果がないということだろう。1月4日、政府は「新型コロナウイルスの感染拡大に伴う緊急事態宣言の検討」を表明し、首都圏は大阪・北海道を参考に飲食店の営業時間を夜8時までにする。それが9日だ。
 今回は学校休校の要請はないため、スイミングクラブへ及ぼす営業被害はないと思われるが、本日朝、数クラブに「御社の対応を簡単に御連絡ください」とお願いした。その結果、
▽休業要請が無い為、通常営業の予定です。いま、事前に告知するか、緊急事態宣言が発令された後に周知するか悩んでいる所です。
▽当社は、感染対策を強化し、通常営業を予定しています。但し、夜間の時間短縮の要請があれば協力する予定です。先程、県庁へ行って参りましてスイミング業界としてのガイドラインの見直しを実施した上で、施設の分類を上げていただくように要望をだしてきました。業界への休業要請はなさそうです。
▽現段階では、小中学校の休校もないようなので通常通り営業を行う予定でおります。ただ、夜8時以降の外出自粛が生じた場合は、営業時間の変更も検討している段階でおります。(通常9時30分まで)
▽当社は営業はそのまま、保護者の観覧を控える形にしようかと考えています。何社かに聞くと
20時以降の営業を休止するというクラブもありました。
 以上の報告があった。20時以降の営業時間は配慮することは頭に入れておいた方がいい。
■情報 相次ぐ大手の施設閉鎖
◎2021年2月28日(日)、コナミスポーツクラブ 立川(立川市)とコナミスポーツクラブ 青葉台(横浜市)の営業を終了する。
◎ティップネスも「ティップ.クロス TOKYO新宿」「ティップネス梅田」「ティップネス日本橋スタイル」「libery日本橋高島屋S.C.」の4店舗を「これ以上の営業継続は困難であると判断」して3月末日で営業を終了する。
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発信:体力健康新社 鶴谷道広 携帯 090-3212-2401
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